筋の通った人ーLife With Axis

 写真は久々に作ってみたマドレーヌ。スタバのチョコレートが半分かかっているマドレーヌが時々食べたくて、一度食べるとリピするのだけれど、最近添加物の雑味の味を妙に敏感に感じるというか、いまいちおいしくない。ということでホームメードで。

 ポリティカルなこととサイエンスなことと、さらに文学的なことに興味のある、私の脳みそとは違ったダーリンが見ているYoutubeは本当に私の興味をそそらない。でもたまに、ダーリンが説明を加えてくれると知らないことを教えてくれるだけでなく、時に感動を覚える。

 本日はその一つ。イスラエルとパレスチナ問題で、もっぱらダーリンはパレスチナサポート派なのだけれど、同じようにパレスチナをサポートしイスラエルを非難する学者たちのSMSをフォローしている。メインストリームのメディアがイスラエル派なものだから、メインストリームではめったに見れないパレスチナサポート派の意見を、Youtubeやツイッターなどで追っているのだ。

 Steven Salaitaという人は博士号をネイティブアメリカンの文学観点から見た研究で取得し、経済科学を学部でとり、英語学を修士号で持っている(Wikiを一応貼っているけれど、英語でしか説明がないよう)。執筆活動と並行して大学での指導もしていた。2013年にはイリノイ大学より、Tenureという、とても安定して名誉あるポジションをオーファーされていた。

 ところが2014年、2000人のパレスチナ人が殺されたガザ紛争に関してイスラエル側を批判する何百ともなるツイートを発信したことが、イスラエルサポート派の生徒、教授、その他の人々の怒りを買い、そのプレッシャーに負けた大学側は、Tenureのポジションのオーファーを取りやめにした。それだけでなく、様々な講演や学校関係の仕事はすべてこの政治的理由で断られたという。

 ここまでは、彼のみならず「発言の自由」であるはずのアメリカではよくある、とても矛盾している話なのだけれど、私が興味をひかれたのは、彼の現在の仕事である。Wikiでもわかるように、職業のところにスクールバスドライバーと書かれている。

 ダーリン曰く、彼はこのバスドライバーという職業をとても気に入って、最高の仕事だと言っているという。もちろん、出版した本もいくつかあるし、印税もあり、執筆活動は続けているだろうから、ただのバスドライバーではないとしても、地位も名誉も名声もある人が、バスドライバーという仕事をしながら世に貢献するというのは、できそうでできないことなのではないかと思うからである。または、いろいろなことにたどり着いて自信がある人だからこそ、どんな仕事でもできるのかもしれな。

 昔ニューヨークで、デンマークから来ていた20代の女性がいて、同じユースホテルの滞在中に何度か話をしたことがあった。若かった彼女はデンマークでの考え方というか、彼女なりの一本通る哲学を何気なく話す。「いろいろな学校に行って勉強をするのは大事なことだと思う。でもその勉強は、例えば、ウェイトレスをしている人には必要ないかというと、そんなことはないわ。どんな勉強も身に着けることは大事だけれど、何をしててもそれはいかせるんだと思ってる。」みたいなことだった。

 人生のどんな時期に何をしようと、それはその人の流れであって、人から見てどう見えるかではないのは分かっているが、なかなかそう割り切れないのが一般的というところではないかと思う。仕事の種類はもちろん、仕事のポジションもしかり。どうしても、重役とか、リーダー的なことがいいように見えるし、もちろんそれで給料が違うとなると、なんとなくそっちのほうがいい気がしてしまうけれど、ストレスなく自分をリスペクトしながら仕事を楽しめばいいのではないかという姿勢。それができれば理想なんだろうけれど。

 なかなか夏らしい夏が続きいい感じ。ただお隣の州の森林火災のせいで、ずっとスモーキーなのは毎年この時期変わらないけれど。

 また一週間💛