カナダの文化の根源ーThe Rout of Canadian Culture

 先週末からずっと激寒が続き、やっと終わりが見えてきて、来週月曜日にはマイナス14度まで上がる。これでもやっとで、毎晩マイナス30度以下で、朝は引き続きそんな感じ。エンジンがかからなくて仕事に来れない日が続いた同寮。

 バレンタインの前日の夜、日本の大きな地震。幸い大きな被害は報告されていないようで、友人や家族も問題なかったということで安心。そして実は同じく13日の夕方6時33分、ここアルバータ州のバンフとキャンモア市にてマグネチュード3.9、震度4.4という地震が起きていた。キャンモアはここから1時間ほどドライブすると着く、かなり近距離の場所。

 カナダの内陸で地震?と思うかもしれないが、日本ほど頻繁ではないものの、実は去年か一昨年かに、それこそチョイ上のRed Deerという市でも地震が観測されている。日本、カナダだけではなく、もはや地球は一つ、いろいろなところで地震が起きている。けれど、地震対策ができている国は少ない気がする。どうぞ日本のみんなが、この後も大きな被害にあいませんように。

 話は変わり、今回は、ファーストネーションにかかわること。

 ファーストネーション、あるいはIndigenous peopleとか、Aboriginal peopleというような言い方がこちらではポリティカリーに正しい呼び名で使われているけれど、日本ではインディアンというとピンとくると思う。私の務める施設では、マイノリティーではあるが何人かのファーストネーションの方が入居していて、30分のOT(作業療法士セラピー)のセッションを担当させてもらっているグループがある。

 もともと私はフィジカルなセッションは得意なほうだけれど、このグループは、コグニティブ(認知力とか知覚能力)にかかわるセッションとなっていて、その名のとおり、それぞれの知覚を刺激しながら、楽しく時を過ごし様子を観察し対応していく。といっても、ゲームや塗り絵、本を一緒に見たり読んだり、という、ものすごく難しいことはしないのだけれど。ふっと、ファーストネーションの人々向けに行えてなかった気がして、なんとなくカルチャー的なことを調べていた。

 そうすると、彼らのカルチャーがなんとリッチで歴史あるものであるかがわかる。毎度カナダのカルチャーや伝統がないと不平をこぼしたりしたが、ここにあるじゃないか!と何となく腑に落ちた。

 カナダのファーストネーションの人々が受けたひどい仕打ちのまだ傷の浅く記憶に新しいことには、Residential Schoolがある。幼い子供達を両親から無理やり引き離されて、その学校に連れていかれた子供たちは、両親に会いたい思いをいつも抱きながら、虐待や性的暴行なども受け、英語を母国語を忘れるべき教わり、キリスト教の教えを学ぶよう強制された。今でも引きずる深い傷とそのトラウマからくる精神病、それゆえのあらゆる中毒症や非行、貧困の問題がある。と同時に、いまだに続く差別問題となかなか解決できないファーストネーションと白人カナディアン間の問題。

 彼らの文化的背景に、MedicineWheelというのがあって、多分多くの日本人はあまり違和感なく共感できる考え方だと思った。深い説明は省かせてもらうとして、スピリチャル的にすべてはコネクトしている考え方、動物や自然界を象徴的にとらえて重んじていること、あらゆることにリスペクトを重んじること、など、日本の神道的なことやスピリチャルリズムに重なることが結構ある。そして独特の部族間でのダンスがあるが、ドンドンという、太鼓のリズムがあるのは、日本の和太鼓のあの心がなんだか沸き立つ感覚と似ている。

 YoutubではTEDのもので、ストーリテーラーのおじさんがまるで一人芝居のように、いろいろな小物をそれはそれはスムーズに上手に使って語るものなんかは、日本の人形劇(なんか伝統的なものがあった気がする)やどこか歌舞伎にさえも共通点が見えて、素晴らしい芸術だと思った。

 もしも彼らのカルチャーが根強く残り、そしてもう一度見直され広がっていけば、カナダはもっと面白い国になる気がする。

 また一週間💛