刺激ーSutimuli

 写真はカルガリーのクライアントの家の斜め向かいの家。早く着きすぎ、車の中でちょっと待機していた時、目にとまった売り出しの看板。古い家のようだけれど、このエリアでこのたたずまいはいい。この家だけでなく、注意してドライブしているとあちこちの家がセールになっているのが分かる。

 今週も、カルガリーでのプライベートセッションとコクランの施設での仕事を行ったり来たり。仕事がない人が出ている中、こんな幸せなことはない。のに、これでいいのかな、とか、なんとなく疲れたような気になる。これを、脳科学者の中野信子さんによると、脳の馴化と呼ぶのだそうだ。

 「なんとなく毎日が張りがなくつまらないなあ…」という、「なんとなく」というのがポイントらしいのだけれど、本当はとても慣れて過ごしやすい生活をしているということで、楽して流せる状態だから、こんなに幸福なこともないんだそう。しかし脳が慣れてきてしまうと、ドーパミンが出にくくなってしまい、そういうなんとなく憂鬱な感じになるんだそうだ。そうなると人はついユートピアを夢見て、もっといい仕事や場所や生活があるに違いないと思う。ところがユートピアにいても脳はやがて慣れてしまうので、永延に難民を繰り返すことになる。

 普通なら、だからこそみんな休暇を取って旅行に行ったり、美術館へ行ったり、催し物に参加したりという工夫で、何とか非日常を楽しむところだけれど、ペンデミックの真っただ中で、毎日ものすごい数の感染者と2桁の死者が出ているこの状態。外に刺激を求めるのは無理というもの。

 こんな時ダーリンはアマゾンで2冊の本をオーダーし新たな楽しみを作っている。本ね・・・いやいやー寝てしまうだろうな。だいたい、そろそろハードカバーの本を増やすの、ちょっとやめたほうがいいんじゃないかなあ。とかってにKindleを勧める。

 そして思いついた私の新たなプロジェクト。それは、だいたい4週間かけて作るイギリスのフルーツケーキ。はは、大したことないな。結局ここへくる。これは、「グレーテルのかまど」というTV番組があるようで、実際に見たことはないけれど、ウェブサイトでレシピが載っている。すごい量のドライフルーツを使っているバターケーキなのだけれど、焼きあがってからラム酒を週に一回フィーディング(ハケでぬること)していき、1か月後に食べごろというケーキ。焼きあがってとてもいい匂いで、早く食べたーい、というドーパミンが出た気がする。

 ドイツのクリスマスに出回るシュトレンという甘めのフルーツパンも考えていたのだけれど、レシピがいっぱいあって、いろいろ見ているうちに作り方のみならず、保存法などいろいろ情報が混じってどれがいいのか選択に困ったのでやめた。

 あまりのラム酒の量だから、大人のデザートもいいところで、夜にしか食べれない気がするが、ラムはキューバのラムを使っているし、その匂いに酔ってすでにいい気分。なんでもイギリスでは、結婚式に出席できなかった人に後日ウェディグケーキのおすそ分けとして渡すような、とてもスペシャルな時のケーキなんだそうだ。多分、日本人なら一度は食べたことあるのではないだろうか、この手のお菓子。

 興味のある方は、「グレーテルのかまど」で検索して、そのサイトのレシピの一番下から6番目にあるのでご参考に。

 さ、本・・・でも読む?

 また一週間💛