来たー、マイナス25度の夜から明けて今朝はマイナス17度。早朝にカルガリーでプライベートのクラスへむかい、ハイウェイは雲の中。霧に包まれた行きと帰り。
新な規制でロックダウンがまた今日から始まったアルバータ州。オンタリオ州も明日からロックダウンになるそうだ。ニュースに映った列を並んで待っている人々の背後には大きなユニクロ店。いいなー。近くにあって。と、かなりポイントがずれている自分。
以前お世話になった、カルガリーのスタジオーナーが、旦那さんの仕事の都合で10月にアメリカのテキサス州に移ることになってスタジオがクローズした後、私のプライベートクラスを取ってくれていたクライアントのGさんとそのハズバンドが、自宅のベースメントの一室でピラティスの機材をそろえ、週二回、私を雇ってくれている。
以前から何度かブログで登場しているけれど、二人とも70過ぎの元気な現役高齢者。Gさんとはクラスを逸脱しない程度におしゃれの話なんかで盛り上がる。最近の話題はユニクロ、そしてジル・サンダースのコラボ商品。ハウスオブジル・サンダースの本家のお店はもちろん、彼女のことを以前から知っていたGさんは、ユニクロとコラボのことを少々遅れて知ったようで、「ちょっと、知らなかったわ。ベルトを買おうと思ったら全くすべて売れ切れじゃない。いつ彼女の商品がユニクロのコラボ商品として売り出されたの?」という話からはじまり、結局ハイブリッドジャケットとシャツを購入したということ。私もストールをオーダーしたので、郵送が着き次第、二人でクラス後に見せ合い。
でもやっぱりオンラインで服を買うのはリスクが高すぎると、二人で意気投合したり、ユニクロみたいなベーシックの服はいいとしても、おしゃれのしがいがないよね、ここの生活、ということでも意見が一致。
「ヨーロッパに行くと、本当に普通におしゃれして普段から生活できるけど、ここ、カナダ?カルガリー? もーね、モールに行ったって、見てよみんなを。誰も身なりに気を使っている人なんかいやしないわ。おしゃれとか、服とかの価値をわかってないの!」」と、ロンドンに家を持ち娘さんもいて、年の半分はいつもだったらあちこちと旅行に行っている彼女。このペンデミックのせいで、珍しくカルガリーの自宅に過ごす日々が多くなり、余計感じていることだろう。
ある日は「ねえ、片方だけの安全ピン型したピアスってどう思う。」と聞く。うーん、ちょっとファンキーと思ったけれど、実際見たら、ゴールドで小さな宝石達が埋め込められていて、なかなか上品な安全ピンピアスだった。
いつかも、モノや服を買うのは「必要とかには関係ない」という話で熱くなった。「ある夫婦の家にたまに私たち夫婦そろって食事に行くんだけれど、そこの女性のほうは、なんていうか、つまらないのよ。その席でね、夫が言わなくてもいい余計なことを言うの。私が最近パンツを購入したばかりだとかね。そうするとその女性、新たな服はもう自分に必要ないから買わないっていうの。 あのね、必要ないとか、そういうんじゃないのよ。必要か不要かって問題じゃないのよ。」と。
好きな女優さんの一人、ケイト・ブランシェットの記事には、彼女がこのペンデミックの中で家にいなくてはいけなくなったことで、ついに歯医者に行ける日が来た時、どう見ても歯医者に行くようには見えないめかし切った身なりで、心をウキウキさせて出かけた、という話が載っていた。口を開けて顔中水浸しになろうとも、フルメークをして。
時代は、ユニクロのようなものすごくお金をかけなくてもスタイリッシュに誰でもなかなか良い服を楽しめるようになった。ワクチンが来週からプライオリティーの高い人々に出回ることになっているけれど、まだまだステイホームの日々が続く。気持ちよく、楽しく過ごすのに、おしゃれはその一つ。あれ、今日は朝のクラスに行ったきりのスウェットで過ごしている。まあ、そんな日もあって良し。
また一週間。