まったく、日本では桜が満開の素晴らしい景色があるのに、この一週間は雪、雪、マイナス温度がつづき、さらに春が恋しい。
いつまでこんなに寒くいる気?!と何に文句を言ったらいいのか。とりあえず部屋には花を生け、ものすごくめんどくさいお菓子を作ってみたり、エクササイズの動画を取ってみたり、と私の趣味もそんなところである。
そんな中、クリエイティブな人はいるものである。今日の写真はシルバンレイクに住むフェイスペインターの友人がつい先日FBに乗せたもの。許可を得てブログに載せさせてもらっている。北斎の絵をベースに描いたとのこと。絵が好きなんだなーと思う。始めるとやめられないというものはお菓子作りなんかでは、始めちゃったら終わらすしかないという感じはあるけれど、絵というのは、写生をすることはあるかもしれないが、イメージを膨らめせて感性に任せて仕上がりを楽しむ才能などは、なかなかみんなが持っているものではないと思う。
施設のレジデントさんの一人に、イラストが得意でいつも絵を描いている方がいた。エクササイズの時間に誘うのだけれど、ときどき「とても作業が遅れているから今日はいけないよ」といって、朝起きてすぐ絵を描く。何かを見て書くというのではなく、次々と頭の中からイメージがわき出てくるようであった。キッチンシェフの提案で、彼の絵が7点ぐらいフレームに入れられて食堂に飾られている。どの絵も、ダイニングルームにピッたりのカラフルな絵で楽しい。そのことも、「シェフとのコラボレーションでね。僕は絵は描けてもあんなに素敵なフレームに入れて飾ることはできないよ」と謙虚なことを言う。いろいろ不自由でもできるだけ絵をかいて毎日を過ごしていた。絵の才能、絵の趣味というのはその人をいろいろなことから救ってくれる気がするし、それを見るほかの人にも喜びを与える。
私達スタッフに不平を言うこともなく、調子が悪い時でさえもそういわない方だったが、最期が近づいたとき、奥様に電話であまり調子がよくないと一言伝えたという。急なお別れだったのと、こんな時で家族でも施設訪問が禁止されていいただけに、ちょっと悲しみがいつもより大きく響くのは、多くのスタッフが同じだと思う。
友人の絵は、彼女自身の遊び心と、絵の中の大道芸人の朗らかで優しい感じが心をいやす。そして我が家ではチューリップが元気に癒してくれている。
また一週間春を待って。