ホットなトピックーHot Topic

ダーリンは朝起きてからすぐツイッターを見たりする。政治にかかわることを朝っぱらからしゃべろうと思えばずーとしゃべれる。私は一日ニュースなど見なくても別に気にしない。

政治、歴史には本当に知識が乏しいので、普通にニュースを見ているだけだと、「これおかしい」ということに気づかないわけだが、ダーリンは突っつきまくる。

そこから質問が始まり、かなり長い講義になっていく。今のところ、黒人人種差別のはじまりと現在のアメリカの関係、ヨーロッパにおけるユダヤ人差別から始まるパレスチナイスラエル問題、そして中南米へのUSAがかかわる今の難民たちを難民にした原因など、それぞれ別の日にざっと説明してもらった。

科学系の説明をしているとき、結局訳が分からず私の質問もずれていくのだが、歴史的な話は面白いので長ーいダーリンの説明も飽きずに聞くことができる。

話しながら関連したことで横道にそれることはよくあるのだが、ある日はオバマ元大統領の話にそれた。ダーリンはもともとオバマが嫌いだが、私は大ファンであった。が、なんとなく最近、自分の理想を押し付けてだが、かなりその熱が冷めていた。一方トランプは、人情のない発言が多く問題のある人物ではあるが、イランがアメリカのドローンを攻撃したことを受けて戦争になるのがアメリカの常であるところを、Noといった。このことに関しては、ダーリンはごくたまにだがトランプの業績として認める。

オバマの人の痛みを心から感じることができるという人間性は、ダーリンも認める。トランプは全く反対で、他人のことには興味がなく、人種差別でいやらしい性格の男だ、ということもダーリンの中では変わりがない。そんなトランプだが、自分の利益になることしかしないとしても、戦争は好まないというところはよかった。

一方オバマ政権の時はシリアにも介入し戦争。のちにオバマは現役時代の後悔していることの一つに、このシリアへの軍事介入を挙げているのだけれど、結果としてトップの「戦争をしたい人たち」の方に着いた。

人情深く頭もよく何より雄弁なため、まるで今までと全く違う大統領のように見えたけれど、やっていることはアッパークラスの白人の今までの政策そのものだったと言う。政治的なことはわからない私としても、なんとなく熱が冷めていた理由が、結局は白人エリートと同じなんだなあっと思ったことだったので、ダーリンの意見と一致した。トランプはオバマほど雄弁性もなく書物を読まない人物なので、何か発言をすると、周りのエリート政治家がそのような言い方に慣れてなくて非常にアンコンファタブルになるというのはこっけいだが、彼の言っていることは私みたいな知識のない庶民にはわかりやすいように聞こえる。

そこが落とし穴なんだそうだ。トランプの言っていることは歴史的背景を知らないと、自国の利益を守るためにはごもっともと聞こえる。ストレートで正直な今までにない政治家、と見ようと思えば見える。

 

中南米からボートで自国から逃れて国境を超えようとした難民の親子の悲しくも生き途絶えた姿がソーシャルメディアを通して飛び回り、「何とかすべきだ」と訴える政治家と、「命の危険を冒してボーダーを超えようなどとするべきではないと言っているんだ」とメキシコとの国境の壁政策を主張し続けるトランプ。

 

もっともらしく聞こえなくもない。しかしアメリカがこの中南米の究極の貧困と混乱を起こした大きな原因と知れば、そうは言ってられないと解る。

 

政治よりベランダに植えた花々が朝起きて気になる私としては、ダーリンにももうちょっと暮らしに興味を持ってもらいたいとは思う。が、ダーリンの政治&歴史抗議はかなり面白い、と思った。