ディナーのお誘い1ーDinner Invitation1

先週末の晴れた夕方、友人宅のディナーに誘われ久しぶりに夫婦で社交に参加をした。

友人の旦那さんの87歳ほどになるお母さまがオンタリオ州から訪れていて、彼女とは数年前に我が家に招いて5人で夕飯をしたことがあった。今回は、友人宅の目の前に住むスイス人のご夫婦も一緒に夕食をするという席であった(写真は友人の家の庭とそこから見える彼らの家)。

お母さまはオーストリアの出身でドイツ語が話せ、スイス人のご夫婦もドイツ語が話せるので、ちょっと退屈しがちなこちらの滞在にちょうどいいのでは、という友人夫婦の計らいでもあったが、面白いことに、この席で生粋のカナダ人は友人の旦那さんだけという、カナディアンがマイノリティーという席であった。

その日の会話の一つに、Mennonites(メノナイト)とHutterites(ハトライト)というコミュニティーの話題があった。ピンとこない場合は、アーミッシュなら聞いたことがあるのではないだろうか。メノナイトもハトライトも、それぞれ独特の暮らしをしていて、いまだそのしきたりというか、生活習慣を守って暮らしている。しかし決定的な違いがこの二つのコミュニティー間にある。メノナイトは全くエレクトリシティーを使わない生活をしているのが特徴の一つだが、ハトライトはすべてハイテクといわれるものは使いこなして問題なく暮らしているという。

「すべて必要なことはコニュニティーの中にあり、みんなで協力して生活するというのが根本にあるから、コミュニティーすべてが家族という感じなんだ。いつも誰かと生活をしているという感じだから、我々が訪れたときは、一人が歓迎すれば、続いて何人もの大人や子供が出てきて皆で歓迎を受けるという感じなんだ。ただし、コミュニティーが100人を超えると、新たに別のコミュニティーを作らなくてはならないというシステムになっている。」とスイス人夫婦の旦那様。なんともユートピアちっくなシステムである。「女性の車の運転だけは許可されていないんだけどね。」と奥様。「すごく幸せなコミュニティだけど、やっぱりプライバシーを楽しむ自分にはそこでは過ごせないと思う。」と旦那様が続く。

彼らは病院などは普通に私たち同じように使うけれど、いわゆる老人ホームのようなところには入らず、コミュニティー内ですべての民をケアすることができるというので、ペンションプラン(国民年金みたいなもの)には入らないという。

一方メノナイトの方だが、その昔ダーリンがまだオンタリオ州にいたとき、彼らのキッチンを仕事でインスペクトしたことがあるという。ファーマーズマーケットで調理したものやあらゆる食品を売っているので、ちゃんとした検査をされる。ダーリン曰く、彼らは電気で動く冷蔵庫はもちろんないが、ベースメントに独自の冷蔵庫を作っているそうだ。冬の雪をかなり固めて集めて置いておくので、雪というか氷というかは解けず、いい温度でその部屋を保って冷蔵庫の役割をしているという。

食事も進み、そろそろデザートとなった。会話はまだ続く。