今週は月曜までお休みで、スタジオもクローズのロングウィークエンド。特にイベント的なことはせず、自分の時間を楽しんでいる気がする(いつも自分の時間はあるのだけれど、さらにゆっくりしている)。
何事も引き際が大事という老子の言葉を読んでいた。
アメリカ人は何故頻繁に仕事を変えるのか、というテーマのあるビデオがあった。以前もこのようなことをブログで書いた気がする。日本では同じ仕事に長くいるというのが珍しくないが、このビデオで言っていたことは「アメリカ人は、もっとお金を稼ごうと思ったら、仕事を変えるのが一番だと信じている。」と。一般のアメリカ人は10から15回の転職が一般的で、20代から30代の平均雇用期間は5年未満といわれているそうだ。
転職する理由は主に給料アップ、昇進のチャンス、それから、より好きなことをしていくためのスキルアップだろうとそのビデオのホストが個人的考えを述べていた。
ここカナダではよくはわからないので、ダーリンに投げかけてみた。
「転職を繰り返すのは、その仕事に満足していないということがあげられると思う。アメリカはそういう意味で何かがおかしい。アメリカンドリームを夢見ようという迷信にとらわれて、キャピタリズムの渦に飲み込まれている。」というのがダーリンの考えらしかった。
一理ある気もするけれど、個人的意見ではその仕事に満足できなくなってくるのが人間ではないかと思うから、転職はとても自然で健康的な気がする。
いつも満ち足りていることを知りなさい、と一方では言われ、いつも満ちた状態でいては何も入ってこないから一度空にするか、いつもどこか足りていない状態でいなさい、ともう一方では言われる。
ただ、アメリカ的な考えの落とし穴は確かにあると思う。給料アップのために職を変えるというとき、確かに給料はよくなったがあらゆる不満がついてきそうな気がする。まあこれもレッスンと思えばいいわけだけれど。それと、長く継続していかなくてはたどり着けないものもあるだろう。
ダーリンがもう一つ指摘した点は、好きなことを追求して進むという夢を追うことの現実。ダーリンは、「そういうことをやれる人はどこかに必ずセーフティーネットというか、余裕がある。」という考えの持ち主。確かに何の後ろ盾もなく生きていかなければならいとか、家族を支えなくてはならない、という状態では夢など追っている場合か、ということは言える。が、どちらにせよ、夢を叶えたという人は、相当本気でやってみんな汗水流してたどり着ていると思う。
この小さな町でも、スモールビジネスは推奨されているのだけれど、なかなかおいしかった意気なピザ屋も、こだわって多くのお茶の種類を売っていたTea専門店も、ここ5年弱の間になくなってしまった。が、サイドビジネスとしてやっていて、他にも収入があるという人が多く、「実はここのオーナーはあそこのオーナーでもある」という話はよく聞く。
何はともあれ、老子の言う「引き際が大事」とは、達成してからこそ言えることだろうから、今を一生懸命やるしかないということと、誰にでも転機みたいなものがあるから、あれこれ考えたり無理やり何か変えようとはせず、その時は自然に来るんだろうとは思った。
職場では同僚のOTAの若い彼女が、この9月から学校に戻ってOT(作業療法士)を目指すために去る。そしてRT(リクリエーショナルセラピスト)が3人いたが、マネージャレベルの一人は産休に6月から入り、一人は先日リタイアし、もう一人は隣接している施設のRTとして来月から働くことになったといい、人員の総入れ替えとなる。
これもまた新たな風が入ることになり、新たな出会いがあるであろう。自分が動かなくても変わっていくのを見るのはまた楽しい、ということで。