磨かれたセンスーShining Taste

今週はやっとちょっと暖まってきて、-3℃とか‐4℃とか、とにかく-5℃までに収まる最高温度。風さえなければこれは春のような温度である。

OTA(作業療法士アシスタント)として働く施設は、車で5分程度の近所にあるため、ランチタイムは帰宅してささっと家で終わらせている。ごくたまに、同僚たちでどこかに行ったりすることもある。そして最近同じOTAの同僚が、叔母の家を出て一人暮らしを始めたということで、家に来ないかと誘いを受けた。私とOT(作業療法士)と彼女の3人でランチをそれぞれSubwayで買って、彼女の車で移動。

引っ越した家はロフトづくりになっていて、2ベッドルームの2バスルーム付き。OTAにならなければインテリアデザイナーになっていたかも、という彼女のセンスがものすごく光っていた。22歳という若さで、こんな立派に住み家を整えるという彼女に脱帽。

昔、これもやっぱりNYでのことだが、明るくてかわいくて頭の良い女の子にバイト先で出会った。当時は24歳とかだったと思う若い彼女の言葉で、「私、家ってとっても大事だと思うんです」と、自分にないコンセプトで印象を受けた記憶がある。

 

当時の私はといえば、NYにいる限り、大事なのは外に出ることで家などただ寝るところに過ぎないと思っていた。しかもいつも借り住まいという感覚があり、持ち物も最小限にして、とにかく生活費は切り詰めようという感覚だった。キッチンもなければバスルームもトイレも全部シェアの、それこそカプセルホテルの部屋よりややスペースがあるかな、という、文字どおり「小屋」に住んでいた。

どんなに小さくても恥ずかしくない暮らしをしていなくてはならない、という意識は少なからずあったけれど、22歳で安定した職に就き、素晴らしい家の環境を整えている彼女を見ると、彼女の未来の暮らしが決してこれより落ちることはないんだろうと、うらやましさを超えてただ感心するだけだった。

しかし何よりも印象的だったのはセンスの良さだろうと思う。見る目があり、空間的感覚があり、こだわりがあり、ストーリがあり、楽しみがある。

 

仕事は仕事で割り切りたいと思っているので、とかく職場のメンバーとはプライベートでは関わらないようにしていた。なので仕事で関わるランチはあっても、割とかたくなにいろんな誘いを断っている。けれど今回、私の知らない、しかもとても素晴らしい彼女の面を知れたことには感謝である。それなりに刺激を受け、より一層彼女が素敵に見えた。

 

彼女はこの秋、OTになるべく学生に戻る予定だという。仕事場でも優等生だから、流石、現状にとどまらず上を行く。彼女ならいいOTになるだろうと思う。