勇敢な少女ーA Heroic Girl

ある勇敢な18歳の少女が昨晩トロントに着いた。

彼女の名前はRahaf Mohammed Al-Qunun。サウジアラビアから一人でオーストラリアを目指して亡命してきた。その通過点であるタイにて収容され、強制送還される間際であった。彼女の父親と兄だか弟だかが迎えに来る、というところだったが、虐待する家族には断固会うことを拒み、国に帰れば無神論者となった彼女は殺されるので、どうか国連難民委員に合わせてくれと言い張った。

バンコクのホテルの小ルームに収容されている間、携帯を使ってツイッターやユーチューブで助けを求めた。これは後々サウジアラビア政府側が「パスポートではなく、携帯電話を没収するべきだった」とタイ側政府へ憤慨のメッセージを送ることになる。

話を省略するが、このレスキューがたった一日で行われてUNHCR(United Nation's High Commissioner of Refugee)がアクションを取りカナダ政府に連絡を取った。いろいろな政治的プロタガンダが背景にあるとしても、彼女の計画的行動と勇気、ソーシャルメディアの驚くほどの速攻効用力が実を結んだ話となった。

同じような例で2年ほど前に、サウジアラビアからオーストラリアを目指して亡命してきた少女がいたのだが、フィリピンにストップオーバした時に強制送還され、その後の消息は誰も知らないということだった。

 

サウジアラビアのような国では、無神論者になったり宗教を変えたりとすることは重い罪となる。女性一人の旅行は認められておらず、必ず男性の付添人がいる、という女性の自由が奪われている。

 

たまたま違う例で、イスラム国家から逃げてきた女性でAyaan Hirsi Ali という女性がいるのを思い出した。彼女は本も出し公演も行いメディアにもよく出るから彼女のことをちらっとダーリンに触れてみた。

 

ダーリン曰く、ここでは2種類のケースがあると。Ayaan Hirsi Ali はソマリアから亡命してアメリカに来た女性だが、イスラムは悪とみてすべてのことを否定し、イスラム宗教そのものをなくすべきだ、と敵対視する。一部の「イスラム嫌いのアメリカ人」から見たら、自分たちが言えないことを彼女が(または彼女だから)言ってくれているので彼女にフォーカスを当てて奨励すると。今回の18歳の少女の場合は無神論者となったけれど、モスリムをみな悪い人だとか宗教そのものが悪いというのではなく、あくまでもサウジアラビアの独裁政治と女性の地位が問題となっていて、宗教の自由や女性の権利を追及していると。

 

朝のRT(ロシアンテレビ)のニュースでは、フランスのイエロープロテスターを見習って(?)ロンドンでも同じようなデモが起きているニュースがあった。ところが、英国のイエロープロテスターは2種類の目的の異なる集団で、1つは独裁政治反対またはタックスカット反対という、まあフランスに見習ったコンセプトであるのに対し、もう1つはハードコアのBrixistで反モスリム派であるために、プロテスター同士で喧嘩が起きていた。 

Rahaf Mohammed Al-Qununのニュースはカナダやヨーロッパでは一大ニュースなのだが、移民難民問題で反対派やイスラムヘイティズムの目立つUSAではまったく取り扱っていない様子が明らかであるのが面白い。

外務大臣のChrystia Freelandにしっかりと付き添われて昨晩遅くトロント空港に到着したサウジアラビア人の彼女は到着するなり多くの記者に囲まれたが、長旅の疲れや安全を気遣って、一切のインタビューはなく外務大臣が代弁してにこやかに用意されている家へと向かった。まだまだ将来の可能性がいっぱいの時間のたっぷりある若さだから、きっとすぐにカナダの文化になじむことだろう。有名になってしまったことはちょっとした代償ではあるけれど、サポーターは多いから、どんな戦いにも打ち勝てるのではないだろうか。