ミートゥー時代ーMe Too Era

最近はMe too eraといわれているが、10年、15年前にさかのぼって性的虐待を受けたと訴える女性が続々増え、絶えず「まただ」と思うような報道がある。そんな中、「Baby It's cold outside」という、アカデミー賞を取ったミュージカル映画の曲が禁止となるということがあり、しばらくはYoutubeで見れた映像も、とうとう見れなくなっていた。

日本で問題になることはないだろうと思うこの曲だが、こちらでは多くの人がこの曲の内容を、「レイプソング」と受け止め、ツイッターなどで反論や禁止の訴えをしていた。CBCの番組でほんのちょっと映像を見ることができるので一応アップしておく(上映像)。

ついこの間見た日本のある番組では、外国人労働者受け入れの問題を挙げていたが、その時にどうしても切り離せない論議の一つとして、女性の働き方があげられていた。そこでは日本女性というのはまだまだ自分の労働時間を「いいのよこのくらい」という感じで、しいて言えば無給での奉仕でも喜びを感じたりするところがある、というようなことを論議していた。番組に出ていた若手女教授曰く、「うちにはディッシュウォッシャーがあるのですが、母は、私がウォッシャーを使うから手で洗わなくていい、といっても、『いいのよ私の労力はただなんだから』といって洗ってしまうんです」と、日本女性の、時間をかけて何かやること(マニュアルでしごとをする)から機械に任せて効率的に仕事をすることへの意識変換がまだ追いついていないこと、そして長時間労働や賃金の安さを気にしないというメンタリティーを指摘していた。

ああ、あるなあーと我が身を振り返るのだが、ふとカナダの進んでいる点というか、価値観が全く違うところを思う。日本で社会福祉の労働というと、きつい汚い安い、というイメージがまだまだあり、それ故に外国人労働者を必要とする職種の一つとして介護などは入っている。一方ここカナダ(アルバータ州としておこう)では、介護施設でも移民の職員が多いということはあるけれど、職種としては安定があり、バケーションもとれ、病気で休む場合はメール一本で休める。その場合も有給。保険加入も年金積み立ても、正規社員、パートタイマーの区別なくある。パートだから賃金が低いということは基本ない。カナダの最低賃金は15ドルだったと思うが、それよりは断然高い賃金で働いている。だから、みんなプライドも余裕ももって働いている気がする。圧倒的に女性社員が多いのは同じだろうけれど。

ちなみに残業などはなく、時間になったらみんな帰るのが普通。時にはランチタイムを短くとって早く帰る、ということもあり得る。

一方で、北米のフライトアテンダントというのは、まったく地位が低く見られていて、日本のそれとは比べ物にならない、ということはよく聞くと思う。もっとも給料がどのくらいなのか実際には知らない。ただ、女性の美しさまで追及された”スチュワーデス”なんぞ、それこそMe too movementで問題になるだろうなあと思う。

北米のMe too movementは欧州と比べてもちょっと行き過ぎと思うのと同時に、露出度の高い服を着ながら見るな触るな、という女性も矛盾しているとつくづく思うが、求人要綱に女性の年齢制限があったり、男女の職種区別があったりする日本は、もうちょっと進む必要があるかな、とは思う。

 

しかし日本の女性専用旅館や女性専用車両というのは、個人的な意見としてはかなり進んでいる気がする。そのくらい男女の違いを考えて徹底的に分けるというのは、これは差別ではなく、本質を見抜いてリスペクトを伴った斬新なアイデアだと思っている。が、私のこの意見に賛同する人はあまりいないかな。