ベルベルの町ーBerber's Village in Tafraout

スペインからヨットでセーリングしながらモロッコに来る、と言っていた友人ホセとそのガールフレンドでポルトガル国籍のリサだったが、さすがに風任せのヨットで来るとなってはいつつくんだろう・・・とまったく当てにならなかった。直前になって、車でフェリーに乗ってモロッコまで来て、その後マラケッシュまで来る、ということになった。

 

結局ホテルに着いたのは、夜中の1時過ぎ。予定していたフェリーに乗り遅れた挙句に、リサのご両親のかなり古い車を愛用してモロッコに来たのはいいが、メカニカルプロブラムと車の持ち主登録がリサではなく両親になっているためボーダーで2時間もめてスタックした、ということだった。と、これは彼ららしく、特に珍しいことでもない。

ホセとダーリンと私は、昔NYのユースホステルで出会い、特にホセとダーリンは絆の深い旧友であり親友である。相変わらずスモーカーのホセとリサが来る前に、ダーリンは部屋の灰皿を隠しておく。なんとホテルは実はスモーカーフレンドリー。2部屋あるアパート式の部屋だが、ドア一枚あるだけなので、全室内ノンスモーキングに見せかけ、吸いたいときは外に出てもらうことにした。

次の日Tafraout(タフロート)という、アンティアトラス地域へ。アトラス山脈はビックアトラス、ミディアムアトラス、スモールアトラスとサイズがあるということで、アンティアトラスエリアというのは、スモールアトラスの地域をいうのだという。半日以上車で走り、やっと着いたホテルはフランス人の夫婦が営むホテルマララ(Hotel Malara)。建築のテイスト、心づかい、料理、運営の仕方、スタッフの生き生きとした姿、立地場所、すべて★5つ付けたい、素晴らしいホテルだった。

泊まった部屋は屋上。当然夜は屋上貸し切りで永遠おしゃべりとなる。空にはミルキーウェイが走り星で埋め尽くされていた。

行きにひどい車酔いをした私だったが、夕飯には食欲も戻り、それはそれはおいしいフレンチタッチのモロッカン料理をおいしくいただいた。

部屋の窓から見えるのは町の景色と山のみ。大体朝4時ぐらいにお祈りの放送が聞こえてきて、その後は鶏のコケコッコー、そして6時ぐらいにまた2度目のお祈りの放送があり、やっと辺りが明るくなる。

ホテルのオーナーいわく、このあたりの住民はみんなお金に困っている人はいないという。とても幸せに暮らしていて、普段はお金を浪費することがないので、溜まったお金で買い物はヨーロッパまでしに行くのだそうだ。

ホテルでは様々な食物を自給自足しており、グスタフという名のついたホロホロ鳥と一匹の犬、そして花や食物をケアする庭師や、台所とサービス云々を手伝う若い地元の女性や男性達がいる。みんな生き生きと楽しそうに仕事をするのを見ると、この二人のオーナーの対応の良さがよくわかる。

ちょっと「星の王子様」を連想してしまうこの土地。

ここはBerber民族が暮らしている素朴な土地で、観光地化したモロッコの都心部とは大違いの、見たかったモロッコの姿の一つだった。ちなみに日本語だとベルベル人というが、そのまま発音すると通じない。もっとバルバルというほうに近い発音になると分かった。オーナーはBerber達の民族的な織物や小物、シンボルなどをうまーくホテルに取り込んでいた。

次の日はTalat nYissiというオアシスといわれる場所を訪れるが、もう一泊このホテルに泊まる。