ワールドカップーWorld Cup

サッカーのワールドカップは、せめて結果ぐらいは追っていないとと思ってちょこちょこ情報はチェックしていたが、じっくり座って試合を見るというほどではなかった。なので、日本の現場のファンやチアリーダーたちが、負けた試合を観戦した後、現場を掃除して帰ったという情報は、人づてに聞いた。

それを話してくれたのは、ロングタームケアーセンターでクリーニングスタッフとして働いているフィリピン人の中の一人の男性からだった。かれはカナダに来てまだ間もない方なので、クリーニングスタッフとして2か所以上仕事をもって頑張っている。カナダではカナダの学校で資格を取得したほうがその職に就きやすいということがあるから(内容やレベルの換算のため)、ゆくゆくは学校に入ってまた資格を取り直してもともとの仕事に就きたい、と以前私に語ってくれたことがあった。

彼の名はデイビット。デイビットがこの日本のファンたちの行動を、目を赤くして語りだした。最初はあくびでもしたのかと思ったのだが、そのうち、感動してくれているんだ、とわかった。実はデイビットは仕事で研修員として日本に数か月いたことがある。その時出会って親切にしてくれたある男性の行為を今でも感謝していて、日本の人々は本当にいい人たちだと私に話す。

「いやー、それはデイビットがいい人だから、そういう人を引き寄せて助けてもらえたんだよ。みんながみんな良い人とは言えないからね。」とその場ではおちゃらけてシンミリしそうな雰囲気をぶち壊そうと努めた。しかし内面では、本当に日本の誇らしい面であり、日本の心を忘れるものかと鼻が膨らむ思いであったことは隠せない。とはいえ、カナダの中にだってまだまだ日本と中国の区別がつかない人はまだ多くいると思うし、特に眼中にない、という人もいっぱいいるわけである。

デービッドのように、日本びいきで見てくれている人の言葉とは裏腹に、日本VSベルギー戦を見て「ライフはアンフェア―」と感じたというコメントをする人もいる。誰がどう感じても自由なわけだが。

予想意外に残っていたロシアチームは、クウォーター戦に残ったとき大変な喜びだった。この異常なほどの喜び様を、こちらのメディアがオンエアーしていた。マイクを向けられ「どうしてそんなに喜ばしいの?」と質問されたある女性は「だって、ロシアチームはさんざん西のメディアにコケにされてきたからよ。」と率直に言っていた。それにしてもサッカーとは個人がフォーカスされるスポーツとちがって、なんともその国の云々にフォーカスされてたり、愛国心云々がいわれたり、ともすると平和的でない結果を巻き起こしそうだと感じる。フランスとクロアチアのファイナルが待っているが、ダーリンは普段はフランスが嫌いだが(政治的に)、クロアチアはフェシストだからこの両国ならばフランスが勝てばいいという。まったく政治的な見方しかしない。ちなみにモロッコのチームに関しては、最初から負ければいいと対戦相手国の方の見方だった。

 

カナダでは自国のチームの参加さえないので、盛り上がっているのはもっぱら移民してきた人々内が多く、あまりカナディアンの興味話題の対象でないというところも面白い。