良い天気の週末。ダーリンの車が、同じアパートに住む人の車と衝突し車に傷がつくというアクシデントが1か月以上前にあり、先週から修理をしているために変わりの車を業者が貸してくれた。日産のその車、ダーリンの車より数倍素敵な車。なので借りているうちの一度は乗ってみたいと、この日は割と無理やりドライブに行ってもらった。
帰ってきて夕飯の支度をしているときだった。圧力なべでひよこ豆を煮ていたのだが、20分以上は火を止めてから経っていたので、もういいかなとふたを開けたところ爆発、右半分の腕と首のあたりと胸に飛び散ったお湯をかぶった。結局すぐにArgent Care Centerに行き手当をしてもらった。家から車で2,3分というこの便利さはよかったと思う。そしてわりに早く見てもらうことができた。ドクターは若手の南アフリカ(白人)だった。名前を聞いて、または英語のなまりがそうだったとしても、私はわからないけれど、ダーリンはすぐにわかるらしい。カナダのドクターは本当に不足しているようで、移民してきたドクターは多い。
ドクターはいくつかの質問を3分ぐらいでしただけだったけれど、その後はわりと高齢のナースの方がケアをしてくれた。右腕全体にかぶせる網のチューブはいいが、デコルテのあたりにこのチューブをどうしたらかぶせられるか、と考えどころだった。ちょっとまってよ、とはさみでチョキチョキと切り込みを入れ、胸から上だけの、袖なしタートルネックのような感じに出来上がり、難なくフォット。こういう即座の応用はすごいなあ、とありがたく感動。
アフターケアーはヴァセリンがある、と思ったのだが、あまりお勧めできないといわれた。それよりもアロエヴェラという、日焼けした後のヒリヒリにつけるようなジェルがいい、というので、帰りがけダーリンがすぐ買ってくれた。
やけどに聞く薬といえば、以前北海道の犬ぞりツアーに参加させてもらった帰りのお土産で、クマの油というのを購入したことがあった。家に帰って試しにつけてみたら、ちょっと獣のにおいがあって、ほんとにやけどをしない限りは使わないだろうと、その時の同僚たちを集めたホームパーティーで、珍物として小分けしてあげてしまった。ほんの少し自分用に残しておいたのだが、ちょうどスタジオの受付で働く方が腕にひどいやけどをしたというので、「これ効くらしいよ」とすべてあげてしまった。
後日、その方からお菓子をいただいた。なんでも、医者もびっくりするほど治りが早く、その方のご実家のお母さまが、貴重な薬をいただいたお礼といってわざわざくれたのだった。
動物性と植物性、なぜか動物性は強いなあというイメージがある。早く治ってさらにきれいに傷跡が消えるのなら、それに越したことはないけれど、デコルテ当たりにクマの油を塗ったら一日中自分が獣臭く感じるのだろうか。
それにしても一瞬の爆発で軽傷であっても肌が解けるというか、ちょっと触ったらビリっとむけるというのを初めて経験した。肌とはなかなかもろいもの。きれいに治ればこれまた自らあるヒーリング力に驚くだろう。