遅れーDelay

もっと言ってよくなれと願いたくなる見出しの記事。カナダポストの本当に迷惑な配達ミスについてだった。

ポーランド生まれの彼女は3歳の時にカナダに移民しカナダ市民となった。WestJetという航空会社のカスタマーサービスアンバサダーの職に就くことが決まっていた矢先、パスポートとドライバーライセンスだけでは身分証明として空港のセキュリティー検査に通らず、市民権のドキュメントを2つ提出する必要があった。その一つが3回郵送され、3回目は別の場所に郵送されたが、トレッキングができる郵送にしていたため運よくその後やっと手に届いた。この時にはすでにオーファーされかけたポジションの仕事は期限切れ、既にほかの人に決まってしまいあきらめることになったと。

始めの2回の郵送は、配達の人が配達場所を見つけられなかったという。彼女の家は普通の民家で、今までの郵便物は何の問題もなく届いていたのに、この重要書類に限って運の悪いことになった。

似たような重要書類で、労働ビザの必要な書類の紛失に合ったという日本人に会ったことがある。重要書類でないことであれば、めったに紛失や間違った場所への配達というのはない、とは言えないけれど、重要書類に関しては、そんな重要なものなのに何故だろう、と、日本の素晴らしい郵送システムに慣れていると思ってしまう。しかし世界レベルは意外とこんなもんなのかもしれない、と思うようにしなければ…と自分に言い聞かせる。

我がアパートは3棟あるのだが、住所のはじめに棟のナンバーが書かれる。1---、2---、3---というふうになっていて、---には3桁の部屋番号が書かれる。この冒頭のナンバーを間違えると最後、郵便は間違った棟の部屋の郵便ボックスに配達の知らせ通知が入れられ、品物自体は郵便オフィスに保管されるが、受取人が来ずに保管期日が過ぎれば送り主に送り戻される。

住所の書き間違えでなても、適当な配達人がいるのか、間違った棟に通知を配達されて送り返されたり。最近では罪悪感いっぱいで父に頼んだ日本のユニクロの商品が、どこか違うところに配達され、1カ月以上たったあと、父から「荷物が返ってきた」と連絡があった。

紛失したのだろうとあきらめるように努めていたから、ある意味ほっとしたのだけれど、かなり期待できない郵便システム。カナダポストそのものもそうだけれど、この町の配達人、郵便局請負所、などなど、問題はいろいろある。

が、この広い広い国土だから、働く人たちも時間内に終えなくてはいけなくてかなり急いで仕事をするとか、事情はいろいろあるだろう。日本は本当にサービスの競争の質が高く、ことに郵便に関して言えば、狭い国土に加えて働き者の性分が加わってあんなに素晴らしいのだろうか。

なんでも手に入る時代にいながら、意外と待ちぼうけや届きづらさを経験するというのも、もしかしたら貴重なのかな、と一服。ダーリンがトルコから持ち帰ってきた本物のバラの花を使ったスイーツと一緒に。ピスタチオが入っていて、甘さも控えめ、上品な、けれど素朴なスイーツ。その土地に行って持ち帰るという贅沢さを味わう。