Sylvan Lakeに住んでいた時の友人が、カルガリー空港に2人の客を送りに来た帰りに会いに来て、一晩泊まってくれた。フェイスぺインターである彼女らしく、この日もかわいい、個性的でおしゃれな装い。彼女を見たカナダ人も褒めずにいられず、「まあ、ビューティフル」と声に出していた。
まだ雪解け途中でハイキングも早いこの季節、何をしようかと考えた挙句、カルガリーにある気になる店、そして彼女が興味ありそうな場所を選んでいくことにした。その一つがFabric Depoという、イミグラントが営んでいた、品ぞろえは相当ある布屋(写真上)。
私が彼女と関係を続けていられるのは、彼女が優しく人に対して自分の得にならないことでもある種の責任感を持ってお世話をできる、またしても爪の垢をぜんじてでも飲みたい、という方だからに他ならない。Sylvanでは相当お世話になった。
そして今回も、ひょんなことから見ず知らずの大人2人の日本人をお世話することになった彼女だった。ことは、フェースペインティングのワークショップがバンフであり、それに参加する日本からのフェイスぺインターがいて、通訳から何までお世話するはずだった人のドタキャンによって、彼女が現地の日本人であるということでお世話を頼まれた、ということだった。
彼女としては、無償なわけで、何の義務もないのだけれど、結局ワークショップ中は通訳をしてあげ、終了後はSylvan Lakeの自宅に彼女たちを泊めることになる。そして遠いカルガリー空港まで車で送り、ドロップオフどころか、チェックインの仕方まで手にかかるというこの2人の大人のために、14ドルの駐車圏を買わざるを得なく、チェックインまで手伝った。思いのほか手のかかる2人だったというわけだ。それにしても、この見ず知らずの2人の大人の女性、ちょっとした志も払わず、フリーステイ、フリーライド。そしてフリー通訳を得たわけだ。
日本の団体ツアーなるものがあり、ツアーガイドがすべてをやるのが当たり前、という形態が日本ではある。そのせいかはわからないが、割と日本人には多いパターンかもしれない。しかしこの二人のとった行動は、過去に自分にもあったような気がして、ますます自分をインディペンデントにして礼を失することなくいなくては、と自分を見返る。
空港からまっすぐ私に会いに来た彼女は、さすがに疲れたと漏らしていた。彼女のような人には必ず、いいことがやってくるに違いない。