メカニック作業ーMechanic Work

木曜日から降り出した雪。週末は霧で包まれた朝の妄想的?な景色だった。まだ降りそうだけれど、以前と断然違うのは、かなり水分を含んだ重い雪であることと、気温がだいぶ暖かく-5℃前後ぐらいが最低となったこと。雪の解けるのが早いので、晴れても溶け始めた雪で道はぐちゃぐちゃ。当分雪用のブーツで過ごす日々が続くかな。

2,3月というのは、カナディアンたちはよくメキシコに行く。とにかく長い冬に飽き飽き、そして子供のいない家族には今のうちが最高、というわけで、メキシコでなくてもカリビアン系か、アリゾナなど、とにかく太陽を吸収できる場所へと旅行に出かけるのが常のよう。

OTA(作業療法士アシスタント)の同僚も例外なくこの一週間バケーションだった。週三日はOTAとしての勤務をしている際、一日だけはOT(作業療法士)と一緒の日があるはずなのだけれど、今週はそのOTの体調不良で、3日間すべて私ひとり。そういう時に限って、なんでまた…というような要望がオフィスに来る。

相棒のOTAは、車いすの修理系となるとできるだけ頑張り、成功したときは達成感で喜びに満ちている。私は特に車いすの修理が苦手。で、やっぱり来た。相棒もそうだけれど、こればっかりは学校でもすべて教えてくれず、行き当たりばったりで多くを経験していきながら技術を身に付けていく?という感じ。別に修理のマニュアルがあるわけではない。

 

シートベルは通常左右一か所、シートから付いているけれど、レジデントさんがズリっと腰を滑らせて座る傾向にあったり、不必要に立ち上がって転ぶ傾向にあったりする場合、4ポイントベルトという、もう少し規制がかかったベルトに変える。大体わかったつもりでも、車いすによってデザインが違うから、時にトライ&エラーを繰り返したり、あれこれクリエイティブにボルトを変えたりする必要がある場合もある。だから簡単に取り換えられる時もあれば、やけくそになりイライラする時もある。

転んで股関節を痛め、病院からやっと帰ってきたレジデントさんは、関節を曲げないようにデザインされた車いすに座らせる必要がある。が、そういう車いすがない場合、あるものでクリエイトしてあげなくてはならず、2時間ほどガチャガチャやった挙句、ナースと話し、ブローダチェアーという椅子を与えることに。今度はそのチェアーの足の角度のアジャストが解らない。あちこち何度も触って、眺めること10分。あ!と何かが動き、アジャストできた。その習慣、ナースは喜び、私はふーと安堵。

 

と、こんなことをしながら、やっぱり日本にいたらなかなか経験できなかっただろうと思う。まだまだ「誰かにやってもらう」精神のほうが相変わらず多いのは言うまでもないが、いろんなことが”Do it yourself" 「自分でやろう」というこちらの環境のせいか、すこーしづつ学んでいる、ような気がする。