されどビジネスーStill Business

今週末3日間にわたり、ピラティスのWorkshopを受けに、キャンモア(Canmore)という町に来ている。いや、正しくは通っている。NYからのクラシカルピラティスの講師だというし、資格維持に必要なポイントを全て取れるのでちょうどいい、というわけで受講を決めた。

 

キャンモアは山に囲まれたアクティビティーいっぱいの場所で、バンフと隣同士ということもあって人気の観光地である。家から車で一時間弱ほどの距離なので、雪が降っていたら宿をとるところだったが、幸い天候は晴れ。

キャンモアは最近、Airbnbなど個人がホテル代わりの宿として広告を出した場合の罰金が話題となりニュースになっていた。特に上等のホテルでなくても100ドルぐらいは普通にする、なかなか観光地としてお高いクオリティーを保っている。かなり前のブログに書いた記憶があるけれど、ホテルやレストランなど、働き手を必要としているのに対して、その人たちが住む家がない…要するに、ちょっとした部屋貸しというのが違法で、そのくせ物件は高い場所…という、なんとなくコンサバで鼻高げのにおう町、ではある。

一日目、くねくねカーブの多いハイウェイを「なんでここを110キロで走らなくちゃならないかな」とおっかなびっくり運転しながらなんとかついた。ちょっと早めに着いたので、お手洗いを借りる目的も含めて、フレッシュジュースを作っているカフェに入った。

オーナーらしい男性一人が座って何かしている以外閑古鳥が鳴いていた。メニューを見てびっくりしたのは、スムージーやジュースが最低で7ドル、あとは10ドルする。クレジットカードは受け付けない。リンゴ、オレンジ、ザクロ、生姜の入った暖かいジュースというのをとりあえず頼み、時間をつぶす。

すぐに観光者らしいカップルが入ってきた。女性がお手洗いを使いたいというのがメインの理由で入って来たのだった。男性の方が待っている間、オーナーが「なににしますか」と聞いた。お客の男性がちょっと躊躇しながら、「彼女が何がほしいか、わからないな。」という。「あなたは何がほしいの」とオーナーが聞き返す。「いやあ、彼女がお手洗いを使いたいというのでついてきただけなんだ・・・・・。ここは君がオーナーでやっているのかい?」とかなりきまり悪そうに話を逸らす。あきれたオーナー、背を向けて洗い物をしながら「まあね、半分」と返答。

どちらの気持ちもわかる。しかし、いくら観光地キャンモアといっても、普通のマグカップ一杯のジュースが7ドルからというのは、なかなかリピートしずらい、そしてたまたま来たとしてもちょっと驚くお値段だろう。オーナーにしたら、レントも高いこの土地でビジネスをするとなったら、このくらいの値段を取らないと元を取れない、ということもあるだろう。オーダーをひとつづつジューサーに入れてそれなりに時間をかけて作り、テーブルに「熱いから気を付けて」など言いながら運んでくれた。どうだった?ときかれ、「すごくおいしい。ジンジャーがよく効いていていいね。ありがとう。」と答えると、「(君こそ)ありがとう。」という。ジュースは本当においしかった。しかし、気持ちはわかるけれど、ビジネスは難しいな、と思った。

 

そしてピラティス。かなりダイバーシティーのない(人種の)集まりであった。きわめて高級スパ的なビジネスとクライアント。客層を選ばざるを得ないビジネスではある。何よりビジネスの秘訣はコミュニティーを大事にして、つながりを大事にしているところかと思う。どんなコミュニティーでも属するのはなかなか性に合わないので、心地良さより違和感のほうが多いいけれど、そういう環境に自分を置くのも結構なれた。とりあえず、キャンモアの3日間を楽しんでみようと思う。