スタジオ近くの朝。美しいと思って撮ったのだけれど、写真ではやはりうまく取れなかった。
OTA(作業療法士アシスタント)としての仕事のなかで、Cognitive Groupというのがある。フィジカルなリハビリに比べて、知覚能力のリハビリをするグループで、これはPTA(理学療法士アシスタント)との大きな仕事内容の違いの一つ。私はこのグループを週一回担当することになっている。3人のレジデントさんの中の一人は103歳。車いすには乗っているけれど、自分で歩いて洗濯物を廊下の仕分けボックスに出しに行ったり、暇があれば虫眼鏡で毎日新聞を読んでいるチャーミングなおばあちゃん。
内容はTrivia(トリビア)といわれることをするのだけれど、Triviaは訳すと「ささいなこと」「雑学的なこと」とでてくる。だから何を提供してもいいのだが、ちょっと考えさせるような、なぞなぞのようなゲームや、言葉遊び、歴史やニュースにちなんだことを話し合う、などということがメインとなっている。
私は、こちらでハングマンというゲームがあるので、それ風のゲームをしている。AからZのアルファベットから一文字を選んで、その文字がそのセンテンスにあれば埋めていく。そして書かれているセンテンスを推測する、というゲーム。だいたいその月に生まれた有名な人の名言を選んでやっている。今月の有名人はAlbert Einstein アインシュタイン博士。3月14日生まれ。調べていると、改めてなんだか元気をもらう言葉が多かった。
- 人生には、2つの道しかない。一つは、奇跡など全く存在しないかのように生きていること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。
- 失敗したことのない人間というのは、挑戦をしたことのない人間である。
- 成功者になろうとしてはいけない。価値のある男になるべきだ。
- 弱点は、いずれキャラクターになる。
などなど、調べれば誰でも「ほーう」と思うことが多いと思う偉大な博士。つい思考のくせで、ネガティブな思いや、同じことをずーっと考えているときがあるけれど、ふっと、こんな時アインシュタインだったら、いつも何かに興味をもっていて、思い悩むより観察や実験を繰り返しているんだろうなと思ったら、その習慣、その日一日がちょっと楽しくなると思った。博士の難しい理論やフィジックスなどを勉強する気にはなれないのだけれど、博士の生き方や言葉はちょっといい。楽しそうというのが何より。
私より大大先輩の方々の前で、このようなゲームをするのは恐縮だけれど、まあまあ楽しんで付き合ってくれているようなので、いつまでも元気で付き合っていただきたい。とはいえ、施設では人生の終わりを向かえる方々とのお付き合いなので、いつもその瞬間、一時をありがたく楽しもう。あ、その前にやっぱり英語… 一生付き合えばいいか。