時の流れーSpeed of Time

朝焼け。北西の空だから、東からの反射でほんのりという色だけれど、なかなか寒さゆえの趣もある。

 

雪も降らない日々が続き、寒さもちょっと和らぐ日々だったので、最近は携帯のナビをばっちりオンにして、カルガリーのあちこちへ一人運転する。事前にどの道をどんなふうに行くのかを確認するのはもちろんだけれど、暗記力が悪いので、やっぱりナビがかなり助けてくれている。「あと400メートル行ったら、--通りを右に曲がれ」という風に、かなり前から心の準備ができるようにナビゲートしてくれるのがいい。たまに、「そこを右にまがれ」と数メートル手前で言うときもあるけれど、そういうのはごちゃごちゃ入り組んだ場所の場合で、大体は長い距離を行くことが多いので問題なく良き運転の友でいてくれる。

というようなことをダーリンに話したら、科学的なレクチャーになった。GPSのおかげで私はナビを抜群のタイミングで受け取ることができるわけだけれど、このGPSというのは、アインシュタインのRelativity of timeという理論が原型なのだという。日本語で調べると相対性理論というものだった。

 

かなりはし折って話す。なんでも時間というのは重力と関係していて、重力があるほど時間が進むのが早いということだった。解りやすい例が地球と月。重力が少ない月の1秒が、地球では何十年という速さ(この例は正確な数値ではないが、わかりやすく説明するための引用)。これは感覚の話ではなく、フィジカルに月では年を取るのが遅く、地球ではあっという間、というコンセプトであった。

それで、GPSに戻るが、この相対性理論の比率、つまりサテライトがある場所と、地球上の時間の速度の違いをしっかり計算されてこそ、タイムリーなナビゲーションとなるわけらしい。そうでないと、「なんでもっと早く言わないかなあー」の連続というわけだ。

そんな話を聞くと、ちょっと頭が単純な私などは、ただの妄想に走る。20秒で話をしたつもりが、月では同じ速度でしゃべってもそれは1秒にも満たないということだろうか?私たちの感覚はどう変わるのだろう。ジーと時計を見て一秒針が動くとすれば、その1秒を、月では長いと感じるのか、それとも1秒は1秒で同じように感じるのか。いや、ダーリンの説明だと前者だと思うのだが・・・。

 

この地球でだからこそ生かせるようにデザインされた私たちだから、よその惑星での時間など、考えるのはやめにしよう。