やっぱりこう寒いと、鈍ったからだを動かすのにはコミュニセンターへ行くしかない。メンバーシップ持ちのダーリンはいつものランニングと筋トレ。私は20分ほどのジョギングとピラティスマット自己練。トラックの使用のみだと3ドル♡ 上の写真で気づくかもしれないが、∸15℃だっていうのに、外で散歩する人もいる(子供連れ)、さすがカナディアン。犬の散歩かな。
今週末は雪模様だったので、その前にちょっと人に会いに行こうと思い立ち、以前住んでいたSylvan Lakeに先日行ってきた。初の片道2時間運転は、いきはよいよい、帰りは結構怖かった。Sylvan Lakeで唯一の友人であったMさんは、いつも会うたびに素敵な方で、こうしてすごーくたまにしか会えないから話は尽きない。彼女自身はフェイスペインターで、旦那さんはストリートパフォーマーというこのアーティストカップルは、昨年の秋口3週間スペイン中を回っていらしたので、その時の話を聞かせてもらった。
かなり体育会系のアーティストカップルなので、行く先々なかなかハードなコースのハイクをしたり、私たちとはまるで違う、計画をびっしり立てた忙しい旅になったようだった。ある日、マヨルカ島でのこと。朝食だけを取ってハイキングにでて帰ってきた夕方、ほてった体を冷やそうとホテルのプールでクールダウン。かなり暑さも落ち着いたので、今度は部屋で暖かいシャワーを浴びようと帰るが、なぜかお湯が出ない。おなかもすいているし、震えるほど寒くなってしまった。
シャワーはしょうがないから、とりあえず食べに行こうとホテルを出るが、ここはスペイン。バー以外はどこもシエスタ中。8時まで開いている店がないという。あと45分、しょうがないバーでお酒をなめて温まろう、と待つ。やっと開いて入ったのは、たまたま見つけたレストラン。入り口そばの席だけが空いていた。実は予約しないと席をとれないほど人気のレストランだと、隣に座っていたスウェーデンから来たカップルが言う。そのレストランで、彼女は思いもかけず倒れて気絶してしまうことになる。血糖値がかなり低くなっていたことに加え、いろいろな悪循環が重なった結果だったようだけれど、とにかく、このレストランでのお話はまるで映画のようだった。
8時まで待ったかいがあり、アペタイザーを一口食べたとき、「ん、行ける!」と思ったそうだ。その後、メイン料理に入る前に彼女が入り口付近で気絶するわけだが、なんとこのスウェーデンのカップル、男性がパラメディック隊員、女性がナースだそうで、さっときて応急処置を施してくれたと。それから5分ぐらいして目覚めるけれど、彼女としてはメイン料理に手を付ける食欲はもはやなかったそうで、どうしても手を付けられない。お店の方は、すっかり冷めたステーキとパスタを作り直そうかと優しい提供。それはできないと、旦那さんは今まで食べたステーキで最高だったと評価する少々冷めたステーキを平らげた。お店の方は、メインのお勘定はいらないと言う。迷惑をかけたのでそれもきないと断ったお二人も素晴らしい。これが結婚記念日の前日だったそうで、かなり思い出深い出来事になったようだ。
旅慣れたお二人だからこそ、この長いスペインの旅行はよく考えていらした。一番は、ドライブで全部を回らず、半分は汽車や飛行機を使うということを取り入れていたこと。それを聞いて同感だった。なぜかというと、ドライブが長いというのは運転者も助手席者も結構疲れやすく、ましてや知らない場所でのドライバーとナビゲーターというのは喧嘩のもとになりやすい。
この日、一人で住むには十分すぎるほどの離れの家で話していた私たちに、彼女の旦那さんがコーヒーを入れて持ってきてくれた。コーヒーにはこだわりのあるこの旦那様はサイフォンで入れる。濃くておいしいコーヒーなのだが、小さめのカップでといったのに、カフェオレボールよりも大きいカップを用意してくれた。カフェインを取りすぎた後の私の運転は、帰りひやひやするほど危なかったけれど、すっかりドーパミンが分泌された一日となった。