ルートーRout

クリスマス休暇中は、まったくと言っていいほどクリスマスらしいことはせず、壁のペンキ塗りをほぼ朝から晩までやっていた。「これは君のプロジェクトだから」と、家具を動かすごと以外は手伝わないと決めていたダーリン。まったくありがたい、としておこう。元の壁の色が暗めだったため、かなり何度も重ね塗りの必要があり、思ったより体力と根気がいる仕事となったけれど、まぶしいくらいの黄色の壁はかなり気分も明るくしてくれて満足。

さて日本では、自分の前世がなんであったか、というようなスピリチャルなことがはやっている、もしくは一時はやったのではないかと思う。こちらでは「Finding Your Rout]という、ハーバード大学やその学者たちのサポートの下に、毎回ジャーナリストや俳優などがゲストとなって、彼らのルーツをかなり深くリサーチするというPBS(日本で言うとNHKみたいなチャンネル)の番組がある。

私自身はあまり興味がなくてまったくと言っていいほど真面目に見たことはないが、ダーリンは録画してまで見る。実はTV番組だけではなく、DNAから自分の人種のルーツを知るというリサーチもあり、これは例えば、自分のDNAを100%として、どの人種のパーセンテージがどのくらいあるのかを知るというもの。一体どこからこの人種のDNAが入ったのだろう、とびっくり驚きの結果を得る人もいる。ある意味、差別や先入観をなくすのにはいいきっかけとなるかもしれないし、さすがいろいろな人種がいる国ならではの試みだと思うが、日本ではこのようなビジネス、またはサービスがあるのかは知らない。日本のDNA研究は立派だから問題なくできることなのだろうけれど、人種の混じりがそれほどない日本ではあまり需要もなさそうだと思う。

そして、このリサーチは100ドル前後で誰でもできるものなので、ダーリンはかねてから興味があり、試してみることになった。アメリカから小さなキッドが送られてきて、そこに自分の唾液を付けてまた送り返す。そうとう楽しみにしていたようで、クリスマス休暇中は閉まっているといっているのに、毎日郵便窓口(ドラッグストアーの臨時窓口がある)に足を運んでは「閉まっていた」と残念がっていた。休み明け、文字どおり早速キッドを送り返し、只今結果待ち。

結果が中国人やモンゴル人のDNAが混じっているとかだったら、これは相当面白いだろう。まあそうでなくても、アフリカ大陸とヨーロッパ大陸、地中海にアラブ諸国など、様々な国と隣接しているモロッコ人のダーリンのDNAは、意外と面白いかもしれない。