渋谷にあるユーロスペースではよくアキ・カウリスマキ監督の作品を上映してたりして、今回も「やった!」と思い「ルアーブルの靴磨き」とかいう映画を見れた。これよこれ、東京のご賞味。作品はやっぱり楽しくて暖かくてユーモラスだった。
渋谷は人酔いするときもあるけれど、実は駅周辺からちょっと抜けるといろいろな建物、レストラン、映画館などがあって、結構好きな場所。今回はそんな渋谷に近い北参道駅から徒歩3分の宿に泊まった。
Airbnbで見つけたこの場所は、一泊35ドル(CD)という安さとロケーションで選んだ。キッチンかつ居間のような空間があるが、洗濯機があったり色々なものがあって、落ち着くという感じではないので、必要な時以外利用することはほとんどなかった。しかしある朝、スーツケースを空港に宅配してもらうために佐川急便を待たなければならす、電話もドアベルもないこの場所は、宅配の人には見つけにくいため、来た時すぐわかるように居間にいた。やがてそこへ管理人の方がやってきたので、いい機会と思い、詳しくこの宿のいきさつなどを聞いてみた。
ストーリーはこんな感じ。ある音楽専門の天才芸術家兄妹がいて、15の時にピアノより簡単な楽器を思いつく。(実際見せてもらったけれど、ちっとも簡単にみえなかった)。20歳の時にはその楽器をアメリカと日本で売るというビジネスを始める。やがてNYと東京に音楽スクールを開く。そのスクールを音楽家である妹さんと一緒に経営しながら、生徒たちの寮も始める。交換留学生のように、NYの学生がこちらへ泊ったり、その逆だったりができるようになった。何年か経ち経済的に余裕もできて、金儲けより指導や芸術性を求めるようにった。寮であるこの場所を知人に貸したりしているが、何かもっと活用法はないかと思っているときに、Airbnbを見つける。立地場所からなかなか旅行者には喜ばれているので、こんなところでよかったらと宿の提供をし、学校の生徒さんや知人の方がスタッフとなって経営しているというわけ。
そのうち会話も弾み、開発された楽器を実際にもってきてもらって遊ばせてもらった。なかなか難しく操作ができないので、生徒さんの一人を呼んでくることに。そのうちその生徒さんが楽譜を持ってきて、やがて、同じくビジターのアメリカ人もやってきて、朝からEric Claptonやインプロビゼーションの弾き語りや演奏会になった。
フィリピンから移民してきた両親を持つこのアメリカ人の青年はギターを弾けるというから、すんなりこの楽器を演奏できた。オープンで気さくな彼とは、一番この宿では会話をする機会が多かった。
半ば芸能プロダクション的なこともやっているそうで、学校名はこのブログで出さないようにと言われた。それにしても、東京はやっぱり面白い。
さて、すっかり満喫できた都会の休日も、そろそろ終わり。いろいろなことを感じた10日間で充実していた。そして10日ぐらいがバケーションにはちょうどいいと思った。いつもモロッコへ3週間もバケーションを取るダーリンの気持ちがあまりわからない。とにかく、便利商品もいろいろ買ったので、だいぶほっこりな気分で月曜日、カナダへ帰れそう。