よくあることないことーHappen Often or Not

朝焼け。こちらは西側の空で、東に上る太陽に反射している景色。

 

アルバータ州の北にある首都のエドモントンにて、ミーティングが年に何回か行われるダーリンの仕事。大体1泊は泊りがけで行く。そして今回も一泊するとのこと。これは、学校もなく、車もあり、多少の収入もある今の自分にとっては、ひそかな、しかしかなりの楽しみに。ちょうど自分の休日に当たっていため、開放感にあふれて思いっきり過ごした。といっても大したことはしないのだけれど、近所のインド料理店へ友人と行きランチをしたり、夕飯は気ままにつまみですまし、夕方にジョギング&散歩を時間を気にすることなく楽しんだり。こういう時間はやっぱり必要だわーと実感。

 

今度はあまり必要でなかったことの話。ある日のピラティス指導に向かう日のこと。この日行くのはナターシャのスタジオではなく、もう一つSE(サウスイースト)方面にあるスタジオで、このスタジオに行くには、車と電車、またはバスの両方を使うようにしている。時間はかかるけれど、なんとなくハイウェイが入り組んでいる道を運転するよりは楽。そして、電車やバスというのは、実にいろいろな人を見るから、ある意味楽しい。

 

駅に着くと、ホームレスの男性が「小銭か、残っているチケットはないか」と連呼していた。今の私は現金を持たずに出かける癖がついているので、大体小銭など持っていない。しかしこの日、電車の回数券のようなものを買う予定で、手持ちのチケットは一枚だけ残っていた。たまにはいいことをしてみようか、と降りかけた階段をまた上がり、「はい、一枚残っているからあげる」と手渡す。するとその男性が「???」とものすごく困惑した顔をして、何か言った。「あなたが何を言っているのかわからないけれど、この件を使って一回分乗れるから。いい?」と手渡しその場を去る。

 

電車を待つホームに立ち、しばらくはこの場面を何度か回想していた。そして、は!とわかったこと。ホームレスの男性はアイスホッケーのチームの名前を聞いたのだ。つまり、彼の欲しかった残ったチケットとは、アイスホッケーのゲーム観戦のチケットのことだった。ようするに、私は何の必要ともされない一回分の乗車券をあげたわけだった。ホームレスの彼にとって、電車に乗りたければ、チケットがあろうとなかろうと乗車しているだろう。

 

こういう、無駄な思い違いや、よいことをしたつもりで迷惑だったとか、そういうことは人生を思い返すと多々ある。今回は誰にも迷惑はかかっていない分よかった、かな。