今年のサンクスギビング。特にパーティーも開かず、お誘いも断って普通に過ごし、七面鳥ではなくラムをバーベキューした夕食に。バーベキューはダーリンの仕事なので、私は楽々一度失敗したケーキをアレンジして再挑戦したり、好きなレシピの本からラズベリースフレをチャレンジしてみたりしてみた。
2日間のオリエンテーションがカルガリーの施設にて行われた今週。最近雇われたナースたちと一緒に。私以外はカルガリーの施設勤務のナースたち。8割はフィリピン生まれの女性、あとは、やっぱりフィリピン産まれの男性(彼はナースのマネージャー的なポジション)、アフリカから来た人、バングラディッシュ生まれの人と、見事に移民が占めていた。たった一人カナディアンの女性でナースがいたけれど、違いは何かというと、彼女はAHS(アルバータヘルスサービスという、いわゆる公務員になる)にやとわれて病院勤務もしているため、労働組合も給料も違うステータス。ほぼナース用の内容なので、2日目私は半日でおしまい。
トピックの一つで衛生と感染の話になる。3人が15秒、20秒、30秒とそれぞれ手を洗う時間を与えられて、正しい洗い方で手を洗ってきた後、レーザーみたいなものを当てらればい菌が取れたかを見る。最低15秒洗ってまあまあばい菌が取れる。私は30秒の実験者に選ばれ、パーフェクトのはずが、左薬指の爪のところにちょっとだけ落ちていないところがあった。これがマニュキュアをした指の場合、小さな隅にばい菌が入っていてもっと落ちにくいらしい。
手洗いの衛生で、こちらと日本と徹底的に違うことがある。それは、手を洗った後、なるべく何も触らないように拝領されている場所が公共の場で多いこと。例えば手ふきの紙が設置されている場所の場合。紙を使って蛇口を閉めるのはもちろんだが、出口ドア付近にゴミ箱が設置されている。これは衛生上正しく、紙を使ってドアを開け、その場でポイと紙を捨てれば、せっかく洗った手を一番ばい菌の多いドアノブでまた汚すことはない。熱風で手を乾かす場所の場合、ドアのない、いわゆる日本の駅の公衆トイレみたいな感じな入り口になっている。
ドアノブというのは実に汚ないということで、空港のトイレ入り口がドアフリーなのは、特にいろいろな人が集まる場所ならではの衛生上の対策だというのは初めて知った。そういう意味では日本でもすべての場所ではないけれど考慮されている気がする。そのほか、エレベーターのボタンの横や様々な入り口出口にサニタイザー(菌を殺すジェルみたいなやつ)が設置されている公共の場所もある。ある意味、資源的に豊かな国だからできることだろう。
ヘルスワーカーは、なにか汚れているものに触った後はもちろん、施設の住人の部屋や病室に入る時と出る時にサニタイザーで手を除菌することを学校では習う。もちろんオリエンテーションでも。しかし実際のところ、手の衛生を正しく行っているヘルスワーカーは30%に満たないというデータ。
さすがにレーザーの実験後は、自分の手はなんて汚いのだろうと思いざるを得なかった。が、仕事中はともかく、日常はなるべく公共の場ではやたらに物には触らず、普段の手洗いに気を付けるぐらいでちょどいいかな。それと、乾燥した手のヒビにばい菌は入りやすく感染しやすいとのことだから、ハンドクリームは必需品。